君のところへあと少し。
(その10)波留と和也

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アパートへ帰るとエアコンのスイッチを入れる。
メールをしたら、日和は1時間後にハルのアパートを尋ねる、と返事があった。

店から持ち帰ったプリンやタルトを冷蔵庫にしまう。

さて。

汗かいたし、シャワーしてラフな格好になっとこっかな。




日和はナリや奏よりひとつ年下。
元はハルの知り合いだったのを奏に紹介した事から、ふたりの付き合いは始まった。


青果店の看板娘。

松嶋 日和。
すらりと高い身長。
長い手足。
ショートカットの髪はカラーリングでややオレンジがかった茶色だ。
奏と一緒にいると、とてもお似合いだ。

気さくな性格で、ハルは度々日和に相談をしていた。

今日も。


ー怖くて出来そうもないよ。ヒヨちゃん、私どうしたらいい?ー


そんな女の子の不安を恋愛の大先輩に問いかけたのだ。


報酬はスイーツで。




ピンポーン。

1時間と少しして。
日和がやって来た。


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