君のところへあと少し。
(その15)波留と和也

1

ハルは身体が小さい。

手も足も、何もかも。
(本人はおっぱいが小さいことを1番気にしているが。)

それに対し、ナリは身体が大きい。

そんなふたりが抱き合えば、もちろん弊害もあるわけで…。


「ハル⁈ハル‼」

ぺちぺちと頬を叩かれ目が覚めた。
あれ?
私、何してたっけ?
「大丈夫か?」

心配そうな顔をしたナリ。
「和也…あ…」

思い出した。
真っ最中。
私、一気に責められて気を失ったんだ。

お腹の下の辺りに温かくてなんとも言えない感触。
まだ、入ったままの彼。

「大丈夫か?キツかったんだろ、ごめん…手加減したつもりだったんだが…」


あれで手加減…しなかったらどうなってた?私。

「ごめ…私、あの」
「抜くからな、ちょっと力抜いて。」

そう言われて反射的に力が入る。
「嫌…」
「嫌って…大丈夫なのか?」

それはわからない。
身長150cmのハルと178cmのナリ。
どうあがいても、約30cmの差は大きい。

「やだぁ…」
「やだって、お前がキツいんだぞ?」

心配そうなナリの表情。
慣れなくちゃいつまでもこのまんまだ。
「また途中で止めになっちゃう、そんなの嫌。」
「く…っ」
煽るようなハルの表情、声。

(拷問じゃねぇか…)

でも、ハルの中はキツくナリを締め付けて離さない。

ホントもう。

メロメロになってしまう。




ハルを手にいれて初めてのクリスマスまであと1ヶ月。

自分の仕事も忙しかったが、ハルも店が忙しく、ゆっくり会うことがなかなかできなくなっていた。

心が渇望する。

ハルの笑顔が見たい、と。

久しぶりに夜遅くに時間が出来、ハルの店に足を向け。

2階の部屋で抱きしめたら、もう止まらなかった。

そういえば、この前も途中でハルを気遣いやめたんだった。

気を使ってるわけじゃない、といえばカッコつけだ。
ホントはかなり気を使ってる。
小さなハルに負担がかからないように。
何回もしたくても我慢。

そうやって溜め込んでいって、暫く振りにハルを抱くとタガがはずれたようにしてしまう。

同じことを繰り返して…。


ちっとも成長しない自分に呆れる。


なんだか空回りだ。

奏に相談したかったが、奏も自らの問題を抱えて戦っていた。
そんな親友を煩わせる訳にはいかない。

だいたい、これはオレとハルの問題だ。


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