東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
彼に両手を掴まれて、そのまま唇に唇を強く押し付けられた。



彼は私の唇を奪ったのだーーー・・・


悔しいけど、彼の渾身の力には敵わず…接吻の濃度は次第に深くなっていく。



割入れられた彼の舌が私の舌を絡めとろうと口内を隈なく…探っていった。


「んんっ・・・」



後頭部に手を回されて、お団子にして結い上げた髪が乱れる。


それでも、彼は私の唇を離さなかった…


息苦しさと悔しさで瞳に涙に滲んだ。



激しい接吻の末。


ようやく、解放されたが私の身体は甘い接吻の余韻と息の吸えなかった苦しさで茫然としていた。
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