東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
昭和7年(1932)年2月…。
関東軍は満州全土をほぼ制圧。
3月1日に『満州国』建国を宣言。
国の元首にあたる執政には清朝の廃帝・愛新覚羅溥儀が就いた。
桜の開花を待たずに父上は死去。
俺が御堂家の当主となった。
「これで御堂少佐が御堂家の当主か…」
庭の満開の桜の木の下で、栗原中尉を加え、4人で酒を呑んだ。
「…栗原お前…『帝内庁』の医師として着任する事は本当か?」
「さすがは樋川だな…何処でその極秘情報を手に入れた?」
「それは言えない…」
「そうか…ほら、煮物の人参…美味いぞ…樋川…貴様にやる」
「はぁ?俺は人参が嫌いなんだ…お前…その情報はどこで?」
関東軍は満州全土をほぼ制圧。
3月1日に『満州国』建国を宣言。
国の元首にあたる執政には清朝の廃帝・愛新覚羅溥儀が就いた。
桜の開花を待たずに父上は死去。
俺が御堂家の当主となった。
「これで御堂少佐が御堂家の当主か…」
庭の満開の桜の木の下で、栗原中尉を加え、4人で酒を呑んだ。
「…栗原お前…『帝内庁』の医師として着任する事は本当か?」
「さすがは樋川だな…何処でその極秘情報を手に入れた?」
「それは言えない…」
「そうか…ほら、煮物の人参…美味いぞ…樋川…貴様にやる」
「はぁ?俺は人参が嫌いなんだ…お前…その情報はどこで?」