東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
* * *


「お帰りなさいませ…征史さん」


「あぁ」



そう言えば、俺は椿と結婚したんだーーー・・・


俺は帰宅すると毎日、こうして椿が玄関に出て来て、俺を出迎えるのか。



「…お疲れですか?食事と沐浴の支度も出来ています」


「あぁ」



成宮は下士官を連れて、銀座の街に繰り出した。



帰宅したのは俺と通のふたり。



俺が階段を上がると椿も金魚の糞のように付いて来る。



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