東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
一緒に寝室に入って来た。



俺は軍刀をベットの上に置き、上着を脱いだ。


適当に肘掛椅子の背もたれに掛けようとしたが、椿が俺の上着を受け取り、木製のポールハンガーに吊るしてあったハンガーに引っかけた。

「すまぬ」

「いえ…」


シャツの釦に指をかけたら、背を向け俯き始める。



俺の意識は彼女の行動に向かっていた。



「おいっ!?」



「あ、はい」


シャツの釦を外し終わると彼女を呼んだ。


「上着と同じようにシャツも脱がせろ」



「え、あ…でも…」



「命令だ」



「はい」






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