SS男子の落とし方
「マリアちゃんにでも会った?」


兄貴が眼鏡を外して服の袖で拭いた。


「無視ってことは図星なんだね。」


「マジウザい。」


軽く兄貴の背中を蹴った。



「そんなに芽依ちゃんが好きなら、素直になれば良いのに。」


「好きじゃねぇよ。」


「じゃあ、僕が貰って良い?」


コイツならやりかねない。


そもそも"芽衣ちゃん"って呼んでるのが、気に食わない。


気を許すなよ、芽衣。


「...一回死んでくるか?」


お巡りさーん、と兄貴は叫んでから、

「優しいだけじゃ、何も解決出来ないよ。」

と意味深長な笑みを浮かべた。
< 195 / 379 >

この作品をシェア

pagetop