先生、教えて。
先生がずいっとあたしに迫る。
「問題ないんだ?」
数秒置き、あたしは詩織の方を向いて
「ある」
とボソリと言う。
ちらっと正面の先生と視線を合わせると
先生は締まりのない顔であたしを凝視していた。
「何ですか、気持ち悪いなぁ」
「今の聞こえなかったからもっかい言ってよ。
詩織寝かせて、俺の方見て大きい声でね」
「え!?無理っ」
「恥ずかしがっちゃだめだよ、二菜先生」
かぁっと顔が熱くなる。
反論しようとした時だった。
あたしのケータイの着信音が聞こえ、
先生に詩織を預けて応答した。
「はい、もしもし」
〈すみません。
私、○○中学の三年C組の一杉亮太の母です〉
何だか、とてつもなく嫌な予感がした。