先生、教えて。
「…こんばんは」
〈夜分遅くにすみません〉
「いえ。ご用件は何でしょう?」
〈息子の成績のことで…〉
やっぱり来た。
〈今回の美術の成績の付け方に疑問を感じまして〉
丁寧な声の母親。
それだけに、その裏にある棘をちくちくと感じる。
〈成績に反映するってうちの息子も分かっていたら
授業をしっかり受けていたと思うんです。
先生の熱心な声かけ一つで、息子や他の生徒たちの成績も変わったと思うんですよ。
それこそ、教室に引っ張って無理やり机に向かわせるとか。
放っておいて成績下げるって…ねぇ?〉