唇が、覚えてるから
「やっぱ、やめればよかったね……」
私の遊びといえば砂浜で延々と遊ぶのがメインだったから、適当に海で遊べばいいかなくらいに思っていたけど、何時間もいたらつまんないよね。
もう子供じゃないんだし……。
「何言ってんの。行きたいっつったの俺だし琴羽は謝んな。いいじゃん、俺はこういうとこ最高に好きだけど?」
「なら、いいんだけど……」
「そうだ。琴羽が出た小学校とか中学校って近いの?」
「……うん」
「じゃあ、そこ行こう」
意外な提案だったけど、結局見て回るようなところもないから、そうすることにした。