唇が、覚えてるから

自分でもめちゃくちゃなことを言ってるのは分かる。

それでも、どんな祐樹でも側にいて欲しいの……。


祐樹は親指を私の唇に移動させて


「……幽霊になったら、もう生身の体じゃないから……触れられない。キスだって……出来ないよ?」


おかしくもないのに、そう言って笑う。


「それでもいいっ!私に祐樹が見えればそれでいいの!!」


祐樹を感じられればそれで十分。


「……成仏させて。……ね?」

「……っ」


成仏……なんて。


祐樹は、大事なこと忘れている。
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