あの日の恋を、もう一度
『Einmal mehr』
このストーリーは、芸能人になった彼のために一般人の彼女が身を引く話。
海外の小説を日本の作家がリメイクし、有名な漫画家がそれをもとに作ったものだ。
…漫画を読むのだけは早いことに自信がある私はパラパラと読み始める。
『私、もうあなたと別れたい』
『…っは?どうしてだよ…』
『わかってるでしょう?私とあなたとじゃ、もう住む世界が違うの』
『…っ、何言って…』
『あなたはもう、私のものじゃない。みんなのもの。それを私だけが、独り占めすることはできない』
そんな始まりから、何やかんやと話があり、結局復縁。
道のりは険しくて、何度も何度も難関があったけれど、結局ゴールインした。
…それはなぜだか、私たちの関係のようにも思えてならなかった。
最終的にいいように行くかなんて、わからないけれど。
成り立ちもすべて。
…そして、中身の手紙を見る。
皺のひとつもない、真っ白な封筒に入った手紙。
その文字は、河合の字そのもので。
どこか、少し懐かしくも感じた。