あの時とこれからの日常
あの日の後日談 -弘毅&亜紀-



「弘毅ー」

住み慣れたアパートの一室

どうせ面倒くさくなって引っ越しなんてしないだろうからと

同棲するときにそこそこ広い、いい部屋を借りた

それが功を奏したのか、本当になるようになっただけか

一応自室というものを持てる弘毅と亜紀は、

ぞれぞれのプライベートを大切にこれまで付き合ってこれた

そのせいで海斗に会うたびに「お前ら、そろそろどうにかなれよ」

と言われるのは、この際無視だ

「ちょっと、弘毅。返事位しなさいよ」

亜紀に呼ばれても何の反応もせずにパソコンに向かっていたら

背後でドアの開く音と亜紀の少し不機嫌そうな声がした

「んー」

「んー、じゃないわ。これ、来たんだけど」

間延びした返事が何とも弘毅らしい

そう思いながら先ほどポストから取ってきた白い封筒を弘毅に渡す
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