あの時とこれからの日常
亜紀から受け取って裏返すと規則的な印刷の文字、ではなく

見慣れた親友の読みやすい文字が躍っていた

その名の隣に海斗よりも優しい文字で恋人の名も書かれている

「招待状か」

そうつぶやきながら封を切る

「……」

「いつだって、結婚式?」

二つ折りの厚手の紙を広げたまま固まる弘毅に亜紀が問う

「…、今月の末」

「今月の…末?」

「そう」

「……」

「……」

「冗談。普通何か月か前に寄こすでしょ」

まさか海斗でも、いくらあいつでもそんなことしでかすとは思えない、思いたくない

「いや、本当だから。幸いにして休日だけど」

全く、と息をつきながら弘毅が封筒と便箋を亜紀に手渡す

「本当だ。やってくれるわ、あいつ」

「まったくだ」

今度会ったら文句の一つでも言ってやろうか

そう真面目に思案し始めた弘毅に、
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