キミの空になりたい
「できれば、千羽完成した後、糸を通すのもやって欲しいんだけど……」
「手伝ってもいいけど、私なんかじゃゲンは担げないよ?」
私が手伝った事で、もし負けちゃったらどうしよう。
小テストの解答欄をずらして書くほど、抜けている私だし……。
「想いをこめてくれたらそれでいいから。汐音が野球部に興味持つようになるわけだし、これで応援にも来る気になるだろうし」
くるみはニコニコとしながらそう答えた。
「うん、それなら……」
「やったーっ!ありがとね、汐音!」
私が引き受けると、嬉しそうにくるみがギュッと私の手を握った。
そんなに喜ぶなんて、くるみは本当に野球部への想いが強いんだね。
こんなマネージャーがいるなんて、うちの野球部は本当に幸せだね。