キミの空になりたい
「ええっ?!汐音、英単語の小テストは落とした事なかったのに」
「解答欄がずれてたんだってー」
私が答案をくるみに見せる。
くるみは自分の答案と私のを見比べて苦笑した。
「これは残念な結果だわ……」
「……うん」
先生の言う通り、本番でこれをやったら大変な事だ。
自分のバカさ加減にはあきれるけれど、おとなしく補習授業を受けよう……。
暑いから早く帰りたかったんだけどなぁー。
帰りのHRが終わると、クラスメイト達がカバンを手にして教室を出て行く。
英単語の小テストの場合、暗記すれば合格点に届くから、補習授業を受ける人は少ない。
その証拠に、浮かない顔をしているのはこのクラスで私だけだ。