神様修行はじめます! 其の三
そしてやっとの事で牛車が前に進みだした。
あたしは牛車から身を乗り出し、凍雨君に手を振る。
「行ってきます!」
「は、はい。行ってらっしゃい・・・」
なんだかホッとしたように手を振り返す凍雨君。
その足元の雪がモコモコ!っと蠢き出した。
――ボコボコボコ――ッ!!
広範囲の雪の中から、次々と無数に飛び出す黒い物体。
「うわあぁぁぁっ!!?」
凍雨君が飛び上がって悲鳴を上げる。
――ズドドド――っ!!
アンソニー率いる目付きの悪いペンギン軍団が、怒涛の進軍を始めた。
その様相たるや、まるで大海を移動するトビウオの大群だ。
水飛沫と見紛うほどの雪煙がモウモウと舞い上がり、視界を完全に覆った。
「アンソニーちゃん達が、先回りして道中の安全を確保してくれるんですわ」
すっごく自慢そうなお岩さん。
「何も言わずに、やるべき事をしっかりやる! これぞ男の中の男ですわ!」
・・・そうだね。
確かにひと言も口はきいてないけどさ。
ある意味、これ以上騒々しい集団もないと思うけど。
あたしは遠ざかる凍雨君を見た。
完全に強張った表情で、硬直したままピクリともせず立ち尽くしてる。
大丈夫かな・・・。
このままちゃんと味方でいてくれるよね? 気が変わって逃げたりとかしないよね?
なんか、心配・・・。
とりあえず、行ってきます。
お願い、ちゃんと待っててね。
あたしは牛車から身を乗り出し、凍雨君に手を振る。
「行ってきます!」
「は、はい。行ってらっしゃい・・・」
なんだかホッとしたように手を振り返す凍雨君。
その足元の雪がモコモコ!っと蠢き出した。
――ボコボコボコ――ッ!!
広範囲の雪の中から、次々と無数に飛び出す黒い物体。
「うわあぁぁぁっ!!?」
凍雨君が飛び上がって悲鳴を上げる。
――ズドドド――っ!!
アンソニー率いる目付きの悪いペンギン軍団が、怒涛の進軍を始めた。
その様相たるや、まるで大海を移動するトビウオの大群だ。
水飛沫と見紛うほどの雪煙がモウモウと舞い上がり、視界を完全に覆った。
「アンソニーちゃん達が、先回りして道中の安全を確保してくれるんですわ」
すっごく自慢そうなお岩さん。
「何も言わずに、やるべき事をしっかりやる! これぞ男の中の男ですわ!」
・・・そうだね。
確かにひと言も口はきいてないけどさ。
ある意味、これ以上騒々しい集団もないと思うけど。
あたしは遠ざかる凍雨君を見た。
完全に強張った表情で、硬直したままピクリともせず立ち尽くしてる。
大丈夫かな・・・。
このままちゃんと味方でいてくれるよね? 気が変わって逃げたりとかしないよね?
なんか、心配・・・。
とりあえず、行ってきます。
お願い、ちゃんと待っててね。