神様修行はじめます! 其の三
「それは、愛していると言ってもよい感情じゃな?」


「もちろん、僕は天内君に深い愛情を持っているとも」


しっかりと、力強く、彼は何度も頷く。

さらにときめく、あたしの心臓。


「ならば小娘を結婚相手に、とは考えられんか?」


「? なぜそうなるんだ?」


彼は小首を傾げた。

ガク――ッと周囲の空気がダレる・・・。


「結婚とは、愛情ある相手とするものじゃ。だから・・・」


「だが愛情を持っていても、僕は絹糸やしま子と結婚はしないつもりだ」


「・・・我とてそれは無いわ」


「だろう? これは適材適所だよ。つまりそういう事だ」


自信たっぷり門川君に言い切られ、誰も言い返せずに沈黙する。


絹糸は「すまぬ。我にはこれが限界じゃ」と呟いて黙り込んだ。


あたしは笑ってプルプル首を振る。


ううん、いいの絹糸。ありがとうね。


でも結局、彼が自分で気付くしかないから。


説得や講習でどうにかなるもんじゃないんだよね。こーゆーのってさ。


「ねえ門川君! 凍雨君と会えて良かったね!」


あたしは話題を変える事にした。


さぁ、明るい話題明るい話題! 前を見よう!

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