神様修行はじめます! 其の三
門を通ったあたしは再び目を見開く事になった。
・・・あれ―――!?
雪、無い!
あたしは後ろを向いて確認した。
塀の向こうは確かに白銀の世界。
果てなく続く積雪の景観が見えている。なのに・・・
門から一歩敷地に入った途端、雪のゆの字もない。
地面にも、建物の屋根にも、木々にも、ひとかけらも積もっていない。
「なんでなんで――?」
「言うたであろうが。端境は結界を司る一族じゃと」
「それとこれと何の関係があんの?」
「雪が降らぬよう、この空間を結界で保護しておるんじゃよ」
「へ~、そりゃ便利だね! 門川もそうすればいいのに」
「おばあ様が、四季の移ろいを愛でたんだ。わざと雪を降らせるままにしてあるんだよ」
ふーん。そっか。綺麗だもんね。
ひらひらと純白の雪が風に舞い落ちる様は、あの儚さは、独特の叙情がある。
日本人の繊細な感性に訴えかける、美があるよね。
すごく寒くて厄介だけど。
それに積もるとなると、もう、どこまでも積もっちゃうし。
「門川屋敷の敷地内は、基本的に積雪は心配ないからのぉ」
「・・・あー、アレね?」
あたしは納得しながら思い出す。
アレと初めて遭遇した時の驚きを。
そう。アレとは、つまり・・・・・
門川は冬になると、敷地内に『レインボー熊』が発生する。
熊なの。熊。
それも白熊じゃなくて、レインボー。
七色の熊。
・・・あれ―――!?
雪、無い!
あたしは後ろを向いて確認した。
塀の向こうは確かに白銀の世界。
果てなく続く積雪の景観が見えている。なのに・・・
門から一歩敷地に入った途端、雪のゆの字もない。
地面にも、建物の屋根にも、木々にも、ひとかけらも積もっていない。
「なんでなんで――?」
「言うたであろうが。端境は結界を司る一族じゃと」
「それとこれと何の関係があんの?」
「雪が降らぬよう、この空間を結界で保護しておるんじゃよ」
「へ~、そりゃ便利だね! 門川もそうすればいいのに」
「おばあ様が、四季の移ろいを愛でたんだ。わざと雪を降らせるままにしてあるんだよ」
ふーん。そっか。綺麗だもんね。
ひらひらと純白の雪が風に舞い落ちる様は、あの儚さは、独特の叙情がある。
日本人の繊細な感性に訴えかける、美があるよね。
すごく寒くて厄介だけど。
それに積もるとなると、もう、どこまでも積もっちゃうし。
「門川屋敷の敷地内は、基本的に積雪は心配ないからのぉ」
「・・・あー、アレね?」
あたしは納得しながら思い出す。
アレと初めて遭遇した時の驚きを。
そう。アレとは、つまり・・・・・
門川は冬になると、敷地内に『レインボー熊』が発生する。
熊なの。熊。
それも白熊じゃなくて、レインボー。
七色の熊。