神様修行はじめます! 其の三
「門川当主様、ほんにこの度はお詫びのしようもおじゃりませぬ」
マロ当主さんが、腰をかがめて歩きながら申し訳なさそうに頭を下げる。
「いや、いいんだ。それより何か事情があると手紙に書かれていたが?」
「代替わりとはどういう事じゃ? お前、子に当主を譲るのか?」
絹糸の言葉にマロ当主さんは、扇を口元にあててホホホと笑った。
わ・・・この人、お歯黒してる!
ひー! 初めて見たけど結構グロイ――!
「麻呂はまだ、奥を娶ってもおりませぬ」
あ、自分で言った。マロって。
「代替わりするのは麻呂ではおじゃりませぬ」
「では誰が代替わりを? 慶事ならぜひとも祝いの品を贈らせて欲しい」
「御心遣い、痛み入りまする。ですが祝い事とは異なりますゆえ」
「どういう事じゃ? よう分からぬわ」
「御覧になれば一目瞭然でおじゃりまするが」
見る? なにを?
あたし達全員の疑問の視線を、マロ当主さんは笑顔で受け止めた。
「今まさに、代替わりの儀式が行われまする。端境秘伝の珍しき儀式におじゃりまする」
そしてまた頭を下げる。
「よろしければ、ぜひ御列席下しゃりませ」
みんな顔を見合わせた。
端境だけの特別な秘伝の儀式か。なんか面白そうかも。
平安調の音楽とか、舞踊とか、そーゆーのが見られるのかな?
「ふむ。そんな時に偶然居合わせたのも縁かのぅ」
「僕も後学の為にも、ぜひとも参列させてもらいたい」
「わたくしも、ぜひこの目で拝見したいものですわ」
マロ当主さんが笑顔で深く頷いた。
マロ当主さんが、腰をかがめて歩きながら申し訳なさそうに頭を下げる。
「いや、いいんだ。それより何か事情があると手紙に書かれていたが?」
「代替わりとはどういう事じゃ? お前、子に当主を譲るのか?」
絹糸の言葉にマロ当主さんは、扇を口元にあててホホホと笑った。
わ・・・この人、お歯黒してる!
ひー! 初めて見たけど結構グロイ――!
「麻呂はまだ、奥を娶ってもおりませぬ」
あ、自分で言った。マロって。
「代替わりするのは麻呂ではおじゃりませぬ」
「では誰が代替わりを? 慶事ならぜひとも祝いの品を贈らせて欲しい」
「御心遣い、痛み入りまする。ですが祝い事とは異なりますゆえ」
「どういう事じゃ? よう分からぬわ」
「御覧になれば一目瞭然でおじゃりまするが」
見る? なにを?
あたし達全員の疑問の視線を、マロ当主さんは笑顔で受け止めた。
「今まさに、代替わりの儀式が行われまする。端境秘伝の珍しき儀式におじゃりまする」
そしてまた頭を下げる。
「よろしければ、ぜひ御列席下しゃりませ」
みんな顔を見合わせた。
端境だけの特別な秘伝の儀式か。なんか面白そうかも。
平安調の音楽とか、舞踊とか、そーゆーのが見られるのかな?
「ふむ。そんな時に偶然居合わせたのも縁かのぅ」
「僕も後学の為にも、ぜひとも参列させてもらいたい」
「わたくしも、ぜひこの目で拝見したいものですわ」
マロ当主さんが笑顔で深く頷いた。