君はここにいる



桜の季節も終わりを迎えた頃に烏乃学園に転校生が来た


随分と微妙な時期に転入をしたものだと、輝夜は思った
軽く好奇心はある


どんな能力を持つ人間なのだろう?


入学してクラスメイトの能力を知るのは楽しかった
特異なの自分だけではないと知って…………正直、安堵した


おそらくそれは自分だけではないけれど………


少し幼いところがあるが、明るく前向きな担任の泉先生が連れてきた転校生は梔零次といった


やや警戒するような空気をクラスメイトたちは発していたが最初はこんなものだろう
ここにいる誰もが人間関係に歪みを抱えているものたちなのだから


けれど、梔零次は気負うことなく微笑んだ


「梔零次です。よろしくお願します」


特に目立つ顔立ちではないが、笑うと自然に目を引き寄せられる
黒い髪に更に深い色をした黒瞳


彼のコトを知りたいと思った
しかし、そう思ったのは輝夜だけではなかったようだ


星野晴明は一番に仕掛けた
だが…………


「ツゥ………何だ?今の」


燃え散った式に輝夜は目を見開いた







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