Loneliness



今度は腹を何度も何度も蹴られる。



壁に押し付けられた背中の傷が痛み、
思わず呻き声を上げる。



「そうだ!! その声だ!!
泣け!! 喚け!! 命乞いを しろ!!
無様になっ!!」



最早 声を押さえる事は
不可能だった。



的確に急所を蹴られ、
痛みに躰を丸める。



それでも決して、
止めてくれとは言わなかった。



どれくらいの時間が経っただろうか。
気が付くと暴力は止んでいて、
団長の声が聞こえた。



「あの刹那と言う餓鬼と
どんな話を したかは知らんが、
死ぬ事は許さんぞ。
帝国は、俺の妻だけではなく、
瞬の命をも奪おうとした
罪深い国だ!!」



団長の、妻?



朦朧とする意識の中、
ぼんやりと考える。



団長は妻を
帝国の人間に殺されたのだろう。
だから帝国を恨んでいる。



そう考えた時、
突然 服を捲られた。

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