Loneliness



心を覆い尽くす絶望を感じるのは、
もう何度目だろうか。



スパイ管理所に居た時、
自分の命は帝国のものなのだと
理解していた筈なのに。



王国に来ても、
結局 自由なんか手に入らず、
誰かの所有物である事は変わらない。



帝国にも、王国にも。



俺の居場所は、無い。



解っていた。
諦めていた。



……筈なのに。



この感情から逃げる為に、
感情を殺した筈なのに。



……駄目だ。



哀しくて、苦しくて。



心が、痛い。



何も出来ない自分の無力さが。
俺を物のように扱う世界が。



嫌で嫌で。



もう、俺は――。

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