サイコーに不機嫌なお姫様。
「慶一郎は同じ美容師の専門学校からの友達で、今も同じ店で見習いやってるんだよ」
「……ふーん。ずっと一緒なんだ」
なんでこの男の名前は下の名前で呼ぶんだよ?
俺は相変わらずツッチーだしよ。
あいつも普通になおって呼び捨てで呼んでるし。
「不機嫌顔になってる。どうしたの? ツッチー、僕にやきもち妬いてるの? かっわいい♪」
カッチ――――ン!!
この男、俺嫌いだっ!!!!
「なお、帰るぞ!」
なおの腕を握ってスタスタと早歩きする。
「はぁ? 慶一郎に失礼でしょ! もう少し愛想よくしなよ。感じ悪いな!」
「なお、ツッチーまたね!」
後ろから怯むことなく手をふっている男。
「慶一郎、ごめん! また連絡するから!!」
何だよ!
何だよ一一一―!!
なおって男友達が多いのは知ってたけど、二人で会ったりする子だとは思ってなかった。
少しがっかりした。