サイコーに不機嫌なお姫様。
なおのバックから大音量で流れてくる携帯の着うた。
一瞬動きが止まる俺。左手が自由になったなおは、ここぞとばかりに俺をドスッと、どつく。
「〜〜ってぇ!! 待てっ……コノヤロォー」
容赦ない力でどつきやがって!!
打たれた右脇腹を押さえている俺からすばやく逃げていくなお。
「うるさい! 友達からだ。静かにしてて!」
そう言って携帯にでる。すっかりいつものなおちゃんに戻っちゃった。
つまんねー。もっとイチャつきたかったのにぃ!!
「昼からランチ? 全然オッケーだよ♪」
ん?何だよ。この会話は。
「じゃ、駅前にね! 了解!」
……嫌な予感。
「……なお。まさか今から友達と会うとか言わないよね?」
「会うよ? なんで?」
でた一一!!
この自由奔放女!!!!
「せっかく仕事が休みで、朝から二人でゆっくりできると思ってたのに!」
「約束してないじゃん?」
「してないけど……じゃあなんでここに来たんだよ?」
「会いたいから。悪い?」
悪くないです。
むしろ嬉しいです。
完全にさっきと立場逆転じゃん。