嘘の誓いとLOVE RING
一人きりの一日は、とにかく長かった。
ベッドの側のサイドテーブルに置かれた時計に目をやると、とっくに0時を回っている。
「凌祐…、まだ帰って来ないんだ」
凌祐の行動を、今まで気にしたことがなかったけれど、ずっとこんな風に忙しかったのか。
お父さんに連れられて、凌祐の家へ遊びに行く時には、必ず凌祐も圭祐もいた。
一緒にご飯を食べる時も、必ず二人はいたから知らなかった。
凌祐、いつ帰ってくるのだろう。
一人で食べるご飯も、一人で過ごす時間も、全然楽しくない。
早く帰って来ないかな…。
ベッドに潜り込み目を閉じると、玄関のドアが開く音がした。
「凌祐!?」
思わず飛び起きた私は、部屋のドアを開け、無意識に玄関へ駆けて行ったのだった。
「凌祐!お帰り」
少し疲れた顔でスーツを脱いでいた凌祐は、私を見るなり笑顔を作った。
「ただいま。美亜、まだ起きてたのか?」
「え?あ、うん。何だか寝付けれなくて」
“まだ起きてたのか”
その言葉に、凌祐を待っていた自分がいる事に気付く。
どこかで、ずっと凌祐を待っていたのだ。
凌祐は、立ち尽くす私の頭を優しく叩くと言ったのだった。
「シャワー浴びてくるから、美亜は先に寝てろよ?もう遅いんだから」
「う、うん…」
凌祐は、いつ寝るの?
そのセリフが喉まで出かかって、そして口には出せなかった。