嘘の誓いとLOVE RING
ベッドへ戻り、再び目を閉じるも、やっぱり眠れない。
耳を澄まして、凌祐の行動を気にしてしまっている。
「早く、寝ればいいのに…」
そんな事を考えながら、約30分後。
ベッドルームのドアが開く音がして、凌祐が入って来たのだった。
「あれ?美亜、まだ起きてたのか?」
ベッドへ入ろうとした凌祐と、目がしっかりと合う。
「うん。何だか、眠気が飛んだみたい」
誤魔化す様に笑った私に、凌祐は呆れた顔を向けた。
「早く寝ろよ。お肌に悪いぞ?」
「うん…」
隣に入ってきた凌祐は、石鹸の香りを漂わせ、顔をこちらに向ける。
「おやすみ美亜」
「おやすみ…」
今夜は何もしないのか。
そんな風に思う自分に気が付いて、慌てて心の中で掻き消した。
何もしなくていいじゃない。
私は、何を期待しているのだろう。
目を閉じ眠ろうとしたところで、凌祐が呟いたのだった。
「圭祐の秘書の話、もう聞いたんだろ?嫌なら、俺が何とかするよ」