なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
「お前なにやってんの?」
うっすら聞こえた言葉と誰かがバスタブに入ってきた感覚に、慌てて浮き上がる。
深くないけど、けっこう広めだから。
「萩原さ...なにやってんですか!」
「風呂?」
「風呂? じゃないですよ! ちょっ、出てくださいよぉ」
恥ずかしさにお風呂の隅に寄る。でも、こんなお風呂の中で逃げられるはずもなく、すぐに捕まる。
「恥ずかしいなら後ろ向いて。ライトも落とせばいいでしょ」
え、でも...という私の訴えは、声に出す前に消え去る。
いつの間にか萩原さんの足の間にすっぽりとおさまり、後ろから抱かれる体勢に。
「すごいきれい」
髪をまとめられ、うなじにキスをされたら全身に痺れが走る。そのまま唇は離さずにつつつっと首筋に沿わされ、吸われる。
「あっ...んんっ...」
しつこいくらいに刺激されて、柔らかい舌は耳朶を這い、そのまま首筋から肩までソフトに這う。
萩原さんの両手は入浴剤で白く濁ったお湯の中で私の胸を捉える。
指先で乳房をなぞり、焦らして焦らして、敏感になってぷくっと張ってきたところを指で挟んで刺激するから声が漏れるんだけど、
私の唇ほ萩原さんの唇に覆われて、なんの躊躇もなく舌がするりと入り込んでくるから、呼吸もままならない。
「んん、ん、っつっ...」
指が生き物のように私の体を這って、気持ちのいいところを探ってくる。
指は身体を、舌は唇を舐めて吸って離さず、舌をも吸われて口腔内を隅から隅まで舐めつくされ、力も入らなくなる。