なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

 ぐっすりと眠ってしまったみたいで、目が覚めたときにはここがどこだかすら思い出せなかった。

 昨夜の出来事を思い出せるようになってきて、左右を確認したけど、私一人。

 髪は乾いていてブローしたようにまとまってるし、ローブ着てるし、濡れてたはずのベッドは濡れてない。


 ここ、私の部屋じゃない。


 お風呂上がりに確か私の部屋に行ったはず。

 一瞬で飛び起き、辺りを見回す。

 何もないけど、デスクの上の書類からして萩原さんの部屋で間違いない。

「嘘でしょ」

 どういうこと?

 リビングに走ったけど誰もいない。私の部屋に行ったけど昨夜のまま、ベッドは乱れてるし濡れてる。


 身体の奥がじゅんとなる。


「萩原さん?」


 呼んでも返事は無し。


 朝の光は癒しの効果がある。部屋にふんわりと流れてくる温かい光は爽やかな空気を運んでくれる。

 自然できれいな気がストレートに体内に届くから、朝の空気は惜しむことなく取り入れたほうがいい。




 テーブルの上にメモが1枚。




『ミッション2クリア、期待してるよ』



「なにこれ」どういうこと?


 メモには一言だけ。そして本人は既にいない。


 いつどうやって出て行ったかなんて、分からない。


 ただ、昨夜の出来事が夢や幻じゃないってことだけは確実だ。

 



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