なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
「で、そんなとこで何してんの?」
「...いやあの、ええと、あなたこそ全裸で何してるんですか?」
何を言ったらいいのか分からず、私は思わず逆に質問しちゃっていた。目に見えている不思議を解決したかったんだろうなぁ。
はい、きっちり目覚めましたとばかりに目をぱっちり開けた男は私から数メートル離れた場所で歩みを止めた。
「お前もしかして昨日からのこと、まさか何も覚えてないの?」
全く記憶にございませんが、わたくし何か致しましたでしょうか?
心臓はドキドキし始め、私は一体全体何をやらかしたことなんだろうと頭をフル回転させるも、答えは無し。もう一回考えることを試して見るも、脳は考えることを放棄しやがった。
仕方なく私は頭をふるふると振ってみた。力無くね。
「あ...そ。何もか?」
こくこくと頷く私を見て、男の人は自分の髪の毛の中に手を入れて目にかかっている髪を後ろに流した。
小さく舌打ちをしながらソファーの上に置きっぱなしだったタオルを面倒くさそうに手に取り下半身を隠し、私の目の前までのしのしと歩いて来て腰をかがめ、視線を同じくらいに合わせた。
舌打ちは止めて下さい。怖いじゃないですか。
と、心で思ってみる。でも言えない。
もうあと何十センチかでキスできそうな距離まで入って来てるんですけど......
この範囲は恋人限定範囲だから、知らない人は入って来ちゃいけない範囲に指定されているはずなんですけど。