なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

 やっぱりモデルみたいな顔立ち。長いまつげが上下に密集していてなんか...うらやましい。なんてことを考えている場合か! 何をしたんだ私は? 

「あの、もしかして私失礼なことしまし......た?」

 瞼をゆっくり閉じながら、頷く男の人。

「ですよね、やっぱ。すみません、全く記憶にありません」
 
 素直に謝ることにした。だって、本当に何もかも覚えていない。

 それに本当にすごく恥ずかしいから早く解放してくれ。

 すーっと背筋に沿って垂れた汗、あまりじっと見ないでほしい。どうしよう...

「じゃぁ、あれも?」

「あれ? ってどれですか?」

「それも?」

「...えっと...それ...ですか?」ってどれ?

「まさか、あれをしたことも?」

「なんですかその意味深なことばは」

「付き合ったってことも?」


 ?????????


「今なんと?」

「俺と付き合ったことも? って言ったけど」


 うっそーーーーー! ありえない!

 ありえないでしょ! 完全無理! 

 何やってんの私! 無理無理無理無理無理!

 私としたことが!  私としたことが! 


 私としたことぐあー!!!!!


 ...なんてざまなの。


 フラれた上に見ず知らずの人とやっちゃって、しかもどういうわけか付き合うなんてことになっちゃってて、そんでもって何も覚えていないのは私だけらしい......


 名前すらも聞いてないのに。





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