なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

 やっぱりあの『行かない方がいいかも』っていう感は当たってたんだ。

 女の感は絶対なんだ。嫌な感ほどよく当たる。

 マスターのあの嬉しい言葉のあとにこんなことが起きるなんて、真面目でもなんでもないよ! 不器用じゃないじゃん、むしろ器用だよね。

 そんなこと思う自分に腹が立つ。人のことは悪く言いたくない。悪いところなんてだれにだってあるんだから、

 いいところを見て接したいって思ってるのに。

 ネガティブワードばかりが頭に落ちてくる。

 パーティーを楽しんでいる人の中を縫うように抜けながらこぼれる涙を拭う。

 知らない間にこんなにも大きな存在になってたって今更ながらに気付いて、でもきっと私なんかじゃつりあわないって思い知って、

 なんなのこの気持ち。

 やだ、この醜い気持ち、捨てたい。


「なっちゃん!」

 会場を出ようとしたところで腕を捕まれ、

「探してたんだけど! どこにいたの?」

 心配している表情と戸惑いの表情が、混ざってる。

「冬山君」

「泣いてるの? 大丈夫?」

 今これ以上話したら私、更に醜くなるから、ごめん無理。

 手を振りほどき、走った。

 後ろで冬山君が呼ぶ言葉に混じって萩原さんとマスターの声も聞こえたから、たぶん鉢合わせたんだろう。

 でももうそんなこと気にしてらんない!

 帰る!

 ...どこに? 私に帰る場所は、無い。だから、




 ......スタジオに帰る。
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