なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
朝になっても萩原さんは帰ってこなかった。
ベッドに入って目を閉じていたけれど、一睡もできなかった。
この部屋に音は無くて、循環している空気清浄器の機械音以外何も聞こえない。
朝焼けが窓に反射して部屋の中ををオレンジ色に染め、しんと静まり返っていた夜が明けてきて、人々が動き出す物音が聞こえ始めても、ドアが開かれることはなかった。
一気に歳を取ったように老けてやつれた気持ちになる。
でも今日は朝1から仕事があって、それを休むわけにはいかない。
仕事なんてしたくなかった。行ってる場合じゃないって思うけど、そんなもん理由にもならないし、そんなことくらいで休むようじゃ人間的にダメだ。
やらなきゃならないことはちゃんとやらないと。
大好きな仕事をさせてもらっていてる以上、そこには人と人との関わりがある。
店長がそんなようなこと言ってたなあって昨日のことを思い返していたら、メール着信があった。
テーブルの上でメール着信のお知らせをしてくる携帯。すぐにはベッドから出る気になれなかった。
心を落ち着かせてからじゃないと開けられないし、読む勇気もない。
最悪のメール内容だったらどうしよう。
別れようとか、出てってくれとか、そんなんだったらどうしたらいいの?
押し寄せる不安が悪い考えばかりをもたらしてくる。
メールの内容を確認しないことには何も始まらないから、震える手で携帯を取り、つばを飲み込みながらメールを開いた。
でもね......
「......ほんと、いいかげんにしてよもう」
文面を読んで、身体中の力が抜け落ちた。
メールの差出人は...