なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
「私もうだめですよ」
「なんで」
「だって、野々宮さんと一緒にいたって...」
秀太郎さんに話を聞いてらった。
昨日は帰ってこなくて、メールも電話もなくて、野々宮さんから電話があってかけなおしたらそこには萩原さんがいて、シャワー浴びてて...
外に呼び出されて彼の夢の話を聞いて、手を引けと言われたことを全部話した。半泣き状態で。
返ってきた言葉は想像していたものとは違っていた。
「あんたバカウケなんだけど」
同情がほしかったわけじゃない。そりゃ少しは欲しかったけど。
真顔でそう言い放った秀太郎さんはなんだか、少し怖かった。
「あんたそれじゃ誰にも相手にされないよ」
「どういうことですか」
「なんで本気でぶつからないの? ってことはさ、そんなに好きじゃないんじゃない? なっちゃん」
「そんなこと...ないです。いつのまにか大好きになってます」
「じゃ、行動すべきことはこれじゃないじゃん」
一人でスタジオにとじ込もってヨガしてその気持ちを捨てて、問題解決しないままに都合よく忘れましょうってのは、逃げてるだけじゃない。
あんたのはただの甘えであって、自分がかわいいから傷つくのが怖いだけでしょ。
好きなら真っ正面からぶつかりなさいよ。
抑揚なく淡々と言うその言葉は重くて、
そして、目の前にはそれを実行している人がいて、
秀太郎さんは本気でその男性が好きだったからこそ、電話でのさよならが納得いかなくて、乗り込もうとしているわけだ。
面と向かって話して納得しようとしている秀太郎さんは強い。
真っ正面からぶつからず、自分勝手に考えて答えを出して、それで悲しくなって、ほんとにバカウケだ。
自分を変えないと、何も変わらないのかもしれない。