なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
『夏菜さん?』
通知圏外からの電話に出たところで先に名前を呼ばれた。私のことをそう呼ぶのは今のところ一人しかいない。
「......はい」
「私」
「...野々宮さん...ですか」
「そう」
面白がるように笑っている声は相変わらず自信に満ちていて、
この前のことだけど、考えてくれた? と唐突に問題に踏み込んできた。
無言がしばらく続き、電話の向こうは静かでどこからかけてきているのか分からない。
「.........私は...」
「いや、そういうのいらないの。どっち?」
「そんな、急に言われても...」
「時間はあったでしょう? 萩原と会っていろいろ話したり相談したり考えるには十分すぎる時間があったはず。それで考えられたはずよ」
「でも」
「でもなんて言葉いらないの」
うう...
なんなんだろうこの人。
この強気な態度はやっぱり怖いよ。
野々宮さんは一体何がしたいんだろう。私と萩原さんを離れさせて何がしたいの?
ぜんぜん見えないよ。
私に何を言わせたいの?
このままだと、言いくるめられそう。
あかりちゃんのことを思い出した。私、このままじゃダメかもって言って、真にぶつかってった。
私だっていつまでもこんなんじゃダメだ。
いいように言われてるだけじゃダメなんだ。