なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
「あいかわらず全裸っての、やめてくれない? 一応私いるし」
「うわっ! なんでお前が!」
「やーね、やったの覚えてないの?」
「やった? 俺がおまえと? あり得ないだろう。それは完全に無理」
「その顔だと覚えてないみたいね」
「ふざけんなおまえ、まじでそれはないし、悪趣味すぎるからそういうのやめろ...」
「あはははは。でも本気して気にしてるのが一人いるわよ。嘘だと思うなら聞いてみなさい」
リビングでパソコンを開いていた野々宮は俺が寝室から出てくると、パソコンを閉じてメガネを外した。
子供の頃から思ってることだけど、相変わらずの悪女だ。
親父はこいつのどこに惚れたのか分からない。変わった人だから変わった奴を好きになるのは分かる気がするが、こいつはそもそも変わりすぎている。
気持ちの悪い絵を描くし、なぜそれが売れているのかも分からないが、その性格も予測不可能だ。
人生を遊びとしか思っていないと子供の頃に聞いたことがある。
それに、私を怒らせたらあんたたちだって容赦しないと言われたこともある。
確か秀太郎が子供の頃泣きながら学校から帰ってきたときも、一番心配したのはこいつだけど、虐められていた理由が女っぽいからってことを聞いた時、こいつは秀太郎を虐めたやつらの所に出向き、そいつらを丸裸にして着ていた服をびりびりに破き捨て、今度やったらこんなもんじゃすまさないからねと脅していたこともあった。
それ以来、こいつには絶対に逆らえないって幼心に刻み込まれたのも事実だ。
「誰が気にしてるって?」
「ベッド」
クスクスと人をバカにするその笑いかたで、こいつがまた何かを仕掛けたってのが分かる。
嫌な予感がする。