なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

 いきなり頭をかかえて言うなればコロゴロしはじめた私に、何何どうしたの? 今度は何があったの?

 と、半笑いで言ってきて、私が萩原さんに嫌いって言っちゃったってこと、その経緯をどうしようどうしようという後悔の言葉とともに吐き出していた。

 そんな私の胸も内を聞いて、豪快に笑ってカウンター叩いてるマスターの目には涙がたまってて、

「そんなに笑うことないじゃないですかマスター、ひどすぎますよ」って、今度は私が悲しくて泣きそうになり、そんな私を見て、『いや、まいった』と、涙を人差し指で拭き取りながらお腹おさえてるその仕草も何もかも似てるんだもん。だから、忘れないとって思うのに忘れられなくなっちゃうじゃん!

 まるで子供。子供が駄々をこねるがごとく、カウンターの上に顔を乗せてじたばたした。

「お嬢ちゃん、そんなに泣いてたら可愛い顔が台無しですよ。泣いていないでこっち来て一緒に飲みませんか?」

 ふと聞こえてきた声は年配の人の声で、目の前にいるマスターをちらっと見たらまだ笑っていて、私の鼻息がまた荒くなる。

「なんにもしませんよ。知らない年寄りに話してみたら楽になるかもしれませんよ。なーに、こういうのは知らない人に言うのが一番というものです」



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