狡猾な王子様
「ほら、秋ってすっごくぶっきらぼうじゃない?」


「う、うん、まぁ……」


「でも、私の好きなタイプってもっと穏やかで優しげな感じの人だから、実は出会った時は完璧に恋愛対象外だったのよ」


「そうなの?」


「うん。でも、秋は根は優しくてすごく家族想いだし、そういうところを知ったらあっという間に好きになっちゃって……」


照れる素振りもなく話す南ちゃんが、なんだかとても大人に見える。


さっきまで妹のように思えていたのが、まるで嘘みたい。


「私って猪突猛進型だから、気持ちを自覚した直後にはもう告白したんだけど、呆気なく玉砕しちゃったの」


「えぇっ!?」


南ちゃんの告白に思わず声を上げ、彼女と秋ちゃんを交互に見る。


相変わらず後ろを歩く秋ちゃんは私と目が合うと怪訝な顔をしたけど、南ちゃんは気にも留めていないみたいだった。


「あれ?知らなかった?」


コクコクと頷くと、彼女は「そっかぁ」なんて言いながら呑気に笑った。

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