狡猾な王子様
今日は五軒も配達先を廻った上に何度も渋滞に遭い、木漏れ日亭に着いた時には十六時近くになっていた。
いつもよりも随分と遅くなったから、英二さんを待たせてしまっているだろうか。
途中で電話を入れて遅くなることは伝えたけど、もし今日のディナーに使う物だったら仕込みが間に合わないかもしれない。
それを懸念しながら車を停めると、駐車場の隅に一台の軽自動車が停まっていることに気付いた。
最初に過ぎったのは、佐武さんの顔。
だけど、私の記憶にある彼女の車とは色も車種も違っていて、その可能性が少しだけ低くなった。
続けて浮かんだのは、瑠花さんのこと。
おしゃれで可愛らしいブラウン系の車は、きっと彼女によく似合うはず。
まだ瑠花さんだと決まったわけではないのに、なんとなくそんな気がしたという理由だけでやけにウキウキしてしまって……。
小脇に葱の束を抱えながらトマトの段ボールを持ち、軽い足取りでドアの方へと歩き出した。
いつもよりも随分と遅くなったから、英二さんを待たせてしまっているだろうか。
途中で電話を入れて遅くなることは伝えたけど、もし今日のディナーに使う物だったら仕込みが間に合わないかもしれない。
それを懸念しながら車を停めると、駐車場の隅に一台の軽自動車が停まっていることに気付いた。
最初に過ぎったのは、佐武さんの顔。
だけど、私の記憶にある彼女の車とは色も車種も違っていて、その可能性が少しだけ低くなった。
続けて浮かんだのは、瑠花さんのこと。
おしゃれで可愛らしいブラウン系の車は、きっと彼女によく似合うはず。
まだ瑠花さんだと決まったわけではないのに、なんとなくそんな気がしたという理由だけでやけにウキウキしてしまって……。
小脇に葱の束を抱えながらトマトの段ボールを持ち、軽い足取りでドアの方へと歩き出した。