狡猾な王子様

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一月も残り数日になった頃、久しぶりに南ちゃんが遊びにきた。


秋ちゃんとは仕事以外でも会っていたみたいだけど、彼女が我が家に来てくれたのはお正月以来のこと。


相変わらず明るい笑顔に癒やされ、ずっとモヤモヤしていた心が少しだけ和んだ。


「ふうちゃん、夕方から時間ある?配達が終わったら、ちょっと付き合ってくれない?」


秋ちゃんとランチをしてきた南ちゃんは、昼食を済ませたばかりの皆に挨拶をすると私にそんなことを切り出した。


「え?秋ちゃんは?今日は泊まっていくんでしょ?」


「うん。でも、秋は後輩と飲みにいくみたいだから、夕方から別行動の予定なんだ」


「えっと、今日は結構回らなきゃいけないから、遅くなっちゃうけど」


ニッコリと微笑む南ちゃんに戸惑いながらも返すと、黙って様子を見ていた秋ちゃんが口を開いた。


「配達なら俺が行ってやる。どうせ夕方までは暇だからな」


秋ちゃんの口調は、まるで決定事項を伝えるかのようなものだった。

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