狡猾な王子様
「そうなの!?」


パァッと明るい表情になった南ちゃんは、キラキラとした笑顔で私と手袋を交互に見たけど……。


「あ、あのさ、南ちゃん。ただのお礼だからね。本当にそれだけだから」


彼女の考えていることを読み取った私は、期待に満ちた瞳がこれ以上輝く前に釘を刺した。


「お礼?これが?」


「うん」


「だって、ブランド物だよ?そりゃ、なんて言うか……ハイブランドではないけど、それでもブランド物なんだよ?」


「たしかに、私もブランド物ってことにはびっくりしたけど……。でも、本当にお礼なの。私にとっては高価な物だけど、彼にとってはお礼って意味しか込められてないから」


「それなら、普通はブランド物なんて買わないと思うんだけどなぁ。ほら、雑貨屋さんの物とかリーズナブルなファッションブランドとか、色々あるじゃない?」


南ちゃんの意見はもっともで、私もまったく同じことを思ったからとても共感はできたけど、それでも英二さんがプレゼントしてくれたのはこの手袋なのだ。

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