狡猾な王子様
佐武さんがお客さんとして木漏れ日亭に来ていたことは知っているし、彼女が英二さんに連絡先を訊いていたところはたまたま目撃して、その時のことは記憶によく残っている。
彼もそれを覚えていたようで、どこかバツが悪そうな顔をした。
「未散が俺目当てだってことにはすぐに気づいたけど、客に手を出すつもりなんてなかった。でも、みちると同じ名前だって知った時にそんな気持ちが揺らいで、誘われた時にはほとんど迷わずに頷いてた」
それを聞いて、複雑な気持ちになった。
英二さんは受け身だったとしても、彼は間違いなく佐武さんとみちるさんを重ねていたのだろう。
だから、英二さんから誘っていないことに僅かにホッとしてしまった私がいる反面、彼女がどんな思いでここに足を運んでいたのかと考えると、自分のことではないのに胸が痛んだ。
「一度きりって約束で、だからこそ俺も誘いに乗ったっていうのもあった。でも、そのあとに未散から関係を続けることを持ちかけられた時、少しだけ戸惑ったけど承諾した」
彼もそれを覚えていたようで、どこかバツが悪そうな顔をした。
「未散が俺目当てだってことにはすぐに気づいたけど、客に手を出すつもりなんてなかった。でも、みちると同じ名前だって知った時にそんな気持ちが揺らいで、誘われた時にはほとんど迷わずに頷いてた」
それを聞いて、複雑な気持ちになった。
英二さんは受け身だったとしても、彼は間違いなく佐武さんとみちるさんを重ねていたのだろう。
だから、英二さんから誘っていないことに僅かにホッとしてしまった私がいる反面、彼女がどんな思いでここに足を運んでいたのかと考えると、自分のことではないのに胸が痛んだ。
「一度きりって約束で、だからこそ俺も誘いに乗ったっていうのもあった。でも、そのあとに未散から関係を続けることを持ちかけられた時、少しだけ戸惑ったけど承諾した」