秘蜜の秘め事
どうしよう…。

古沢さんにあわせる顔がない。

古沢さんが出かけている訳…は、ないよね。

サラリーマンじゃなくて、小説家なんだから。

でも常に家にいる訳じゃないはずだ。

気分転換に外出ることくらい、あるだろうし。

そう願いながら、部屋の前についた。

後はこのまま中に入ってしまえば、5時まで古沢さんと顔をあわせなくて済む。

ドアノブに手をかけようとした時だった。

「あ、梨衣」

その声にビクッと躰が震えて、持っていたカバンを落とした。
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