秘蜜の秘め事
きぃちゃんは照れくさそうに笑って、
「覚えてたんだ…」
と、恥ずかしそうに呟いた。

「覚えてるよ。

わたしの周りで炭酸が苦手なのはきぃちゃんと…」

「“と”?」

そう言ったきぃちゃんに、わたしは口を閉じた。

危うく、真の名前が出てくるところだった。

真も炭酸が苦手なのだ。

飲むと口の中が痛いからと言う理由で、真は炭酸を好まないのだ。

「りっちゃん?」

ビクッと、わたしの肩が震えた。

寒さを感じたとか、そんな理由じゃない。

怖かったからだ。

たった今、わたしの名前を呼んだ彼の声が。

いつもの声のはずなのに。

いつもの呼び方のはずなのに。
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