秘蜜の秘め事
「襲ってきた彼も、手を出した梨衣も、どちらも悪い」

「…ッ」

諭すようにそう言った真に、わたしは何も返すことができなかった。

「だけど…謝って許すことはできないのかい?」

続けるように、真が言った。

真は抱き締めていたわたしの躰を離し、見つめた。

「友達なら…ましてや幼なじみなら、謝ることができるはずだ。

たとえその後がどうなったとしても、謝ることは可能だろ?」

諭すように言った真に、わたしはコクリと首を縦に振ってうなずいた。

「学校で会えるんだったら、ちゃんと謝ろう?

梨衣が1人じゃ無理だったら僕も」

「1人で行けるから、大丈夫だよ」

過保護な真に、わたしは笑って返した。
< 309 / 440 >

この作品をシェア

pagetop