青い猫の花嫁


正宗さんは少し残念そうに「そうですか?」と残っていたお茶をゴクリと飲み干した。


「……。僕は見守るのがお役目なのです。例え先祖の記憶を継いでいるとしても、それは曖昧で不確かなものだとわかっています」

「ほんとのところ……詳しい事はわからないって事ですよね」

「僕の星占いは、確かですよ。それで真子さんに導かれたんですから」

「……」


それってわからないって事じゃん。

はああって、思い切り息をついた。なんだか今までちゃんと酸素を取り込んでいなかったような気がする。


正宗さんは縁台から立ち上がると、風に揺れる桜の花に手を伸ばした。





「真子さんは、トワをどう思っていますか?」

「え?」



トワを……?

どうって……


目を見開いたあたしを、正宗さんは真っ直ぐに見下ろしている。
その口元に薄く微笑みを宿して。





「どうかお願いです。三國を……トワを救ってください」






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