青い猫の花嫁

別に何もやましい事ないけど、先生に聞かれてたとなると、少しだけ焦ってしまった。
恥ずかしくて、いたたまれなくて優しい香りのするハーブティを口に含んだ。

その時、爽子の隣に誰かが腰を落とした。


「つーかさ。そんなデレデレしてるなら……」


あ、カナトくん。
空になったグラスを廉次さんに差し出しながら、大きなため息と共に忌々しげに言った。

ジロリとあたしを睨みながら……。



「さっさとヤっちゃってくんねーかな。マジで」

「ぶぶッ!」



せっかく口に含んだハーブティは見事に飛び出して。
ついでにあたしの思考回路も、寸断してくれた。


……な、な……な……。



「きゃああ!真子ちゃんッ」


慌ててハンカチを差し出す爽子は顔面蒼白。
さすがの廉次さんも、カナトくんからグラスを受け取ったまま、その笑顔を歪め。
眉間にシワを寄せた先生は、口元を布巾で押さえている。


カナトくんの爆弾発言は、その場にいた数人に命中。


う、カナトくん……やっぱりあたしの事嫌いなのかな……。
もうすっかり涙目になったあたし。



と、そこへタイミングが良いのか悪いのか、何も知らないトワがやって来た。


「何してるの?」

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