青い猫の花嫁
猫は力なくその場にうずくまります。
横たえた体で、猫は空を仰ぎました。
寒い雪の夜であるはずが、猫の目には星空が広がっていました。
もう、その瞳は世の中を映さなくなっていたのです。
――――ああ、せめて。
せめて最期に一目
貴女にお会いしたかった……
愛おしい貴女に、わたしのこの想いを
お伝えしたかった……――――
痩せ細った蒼穹の猫の瞳から
一滴の涙が零れ落ちた。
それは大地に染み渡り、そして……。
蒼い結晶となって、魚名さんの手の中に現れた。