すっぴん★
俊介が店から出て来た。
「ご馳走様」
素が俊介に頭を下げて礼を言った。
「いえいえ。ラブホに行く前に、ちょっと寄り道するけど、いい」
俊介は寄り道がしたいらしい。
「どこへ、行くの」
「下着を買いに。君も買いなよ」
「ええ、これからという時に、下着を買うの。信じられない」
素は俊介の突飛な言葉に、自分の耳を疑った。
「俺、下着をいったん脱ぐと、もう着たくないんだ。ばい菌がうよう
よいそうで、気持ち悪くってね。だから、自宅にいる時は、何回も着
替えるよ」
俊介の言葉に、素はただただ唖然。
「もう、病気ね。う~ん。仕方がない。付き合って上げるわ」
「サンキュー」
二人は地下街に行き、まず俊介が、メンズショップで下着を買い求め
た。続いて、素が下着ショップで下着を買い求めた。
その間、俊介は店の前で、素が下着を買い求めるのを待っていた。