すっぴん★
見かねた俊介が。
「帰してやりたいのは山々だけど。ツアーの帰国予定は二日後。ツアー
のこれからの予定をキャンセルして、新たに飛行機を押さえるのは無理。
大体、そんなお金の持ち合わせが無いよ」
「・・・」
「ごめんね。辛いだろうけど、我慢してくれない。お願いだから」
俊介が両手を合わせ、弱り切った顔をして素に言った。
「我慢するしか仕方ないわね。・・・んんん、最悪」
素がふて腐れるように言った。
それ以来、素は塞ぎ込んでベッドにずっと横になっている。
時折、素は起き上がって来た。
そして、デスクに座り、何かを一心不乱にノートに書いている。
素がノートに書き留めているものとは。